輸送時の振動とブロッコリーの呼吸速度及び内容成分の変化

[要約]縦置きしたブロッコリーの呼吸速度は、輸送時の振動によりやや上昇するが、振動終了後、約1時間で元のレベルに戻る。また、ブロッコリーのアスコルビン酸およびクロロフィル含量の変化についても、輸送時の振動による影響はほとんどみられない。

生産環境研究所・流通加工部・流通利用研究室 [連 絡 先] 092-924-2930
[部会名]生産環境 [専門]加工利用 [対象]葉茎菜類 [分 類]指 導

[背景・ねらい]

ブロッコリーは未熟な花蕾を収穫するため、呼吸速度が高く、品質の低下が早い。特に、輸送時の振動による品質の低下が懸念される。そこで、輸送時の振動がブロッコリーの呼吸速度および品質に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

@輸送時の振動によりブロッコリーの呼吸速度は、温度にかかわらず約30mg/kg/hr上昇するが、振動終了後は約1時間で振動を与える前のレベルに戻る。10時間振動を与えた場合でも、呼吸の上昇量は15℃のブロッコリーが約1時間に行う呼吸量にしか相当しない(図1)。
Aブロッコリーのアスコルビン酸及びクロロフィル含量の変化については、輸送時の振動による影響はほとんどみられない(図2、3)。

[成果の活用面・留意点]

ブロッコリーの輸送技術確立のための資料として活用する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:輸送過程における振動が品質に及ぼす影響の解明
予算区分 :国庫(地域重要)
研究期間 :平成8年度(平成7〜8年)
研究担当者:池田浩暢、茨木俊行
発表論文等:平成7〜8年度生産環境研究所流通加工部試験成績書