エクストルーダ型成型機における牛ふん堆肥の成型法

[要約]オガクズ入り牛ふん堆肥は、鶏ふん堆肥を50%以上添加することでエクストルーダ成型機により成型できる。粉砕モミガラ入り牛ふん堆肥は、含水率を30〜50%に調整することで成型でき、油粕、尿素を添加しても成型できることから成分調整成型堆肥の製造が可能である。

畜産研究所・中小家畜部・環境衛生研究室

連絡先

092-925-5177

部会名
 

 生産環境
 

専門
 

環  境
 

対象
 

家畜類
 

分類
 

指 導
 
[背景・ねらい]
 堆肥の流通を促進するために成型化や成分調整技術の活用が考えられている。これまで材料を押し出して成型するエクストルーダ型成型機は、鶏ふん、豚ふん堆肥の成型はできるが、オガクズ入り牛ふん堆肥の成型はできないことを報告した(平成9年度農業関係試験研究の成果)。そこで、今回は含水率を変えた場合の牛ふん堆肥の成型及びオガクズ入り牛ふん堆肥に粘着資材を添加した場合の成型の可否について明らかにする。また、モミガラ入り牛ふん堆肥を原料とする成分調整堆肥を開発するために成分調整資材を混合した場合の成型適正混合割合を明らかにする。
 
[成果の内容・特徴]
1.オガクズ入り牛ふん堆肥は、含水率を調整しても押し出し後に材料が崩壊して、成型できないが、牛ふん堆肥量の50%以上の鶏ふん堆肥を加えることで成型できる(表1表2)。
 
2.粉砕モミガラ入り牛ふん堆肥は、含水率30〜50%に調整することにより成型できる(表1)。
 
3.含水率45%の粉砕モミガラ入り牛ふん堆肥に成分調整の目的で油粕を 5〜20%、尿素を1〜 5%混合した堆肥は成型できることから、成分を調整した成型堆肥の製造が可能である(表3)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1.堆肥生産施設において、成型機導入の際の参考となる。
 2.成型堆肥の保管や輸送のためには含水率を20〜30%まで乾燥させる必要がある。
 
[その他]
 研究課題名:成分調整成型堆肥の機能高度化と水田転作野菜に対する施用技術
 予算区分:国庫(地域基幹農業)
 研究期間:平成11年度(平成10〜12年)
 研究担当者:小山 太、高椋久次郎
 発表論文等:平成11年度畜産関係試験成績書