微細孔フィルムによるナバナの鮮度保持期間の延長 | 
	 
	
		 
〔要約〕ナバナは低酸素、高二酸化炭素濃度状態で呼吸量の低下による鮮度保持効果(MA効果)が高いので、φ50μmの微細孔10穴を有する厚さ0.025mmのOPP微細孔フィルムで包装すると、呼吸量が5割程度に抑制され、1週間は品質を保持できる。 | 
	 
	
		 
生産環境研究所・流通加工部・流通利用研究室 | 
		 
 連絡先 | 
		 
092-924-2930 | 
	 
	
		 
部会名 
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生産環境 
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専門 
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加工利用 
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対象 
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葉茎菜類 
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分類 
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普及 
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[背景・ねらい]
 
 ナバナは密封包装にすると異臭を発生させやすいために、現在、OPPフィルムで粘着シール包装され出荷されている。しかし、密封ではないためにガス濃度が一定ではなく、この結果、葉の黄化が発生しやすい。
 
 そこで、品質低下を防ぎ、より長期間の鮮度保持を図るために、ナバナの呼吸に及ぼす酸素と二酸化炭素濃度の影響を明らかにし、粘着シール包装に代わる密封包装に適したフィルムを選定する。
 
 
 
 
 
[成果の内容・特徴]
 
1.ナバナの15℃における呼吸量は、酸素濃度2〜21%未満、二酸化炭素濃度2〜17%の範囲において酸素濃度を低く、二酸化炭素濃度を高くすると抑制されるので、フィルム包装によるMA効果が高い( 図1)。
  
 
 
2.φ50μmの微細孔10穴を有する厚さ0.025mmのOPP微細孔フィルムで包装すると、保存中のフィルム内の酸素濃度は2〜5%に低下するとともに、二酸化炭素濃度は12〜16%の高濃度になり、そのときの呼吸量( 図1のB)は通常の空気条件下の呼吸量( 図1のA)に対して約5割程度になる。
  
 
 
3.呼吸量が抑制される結果、クロロフィルの減少が抑制されるとともに、葉の黄化や異臭も発生しないため、1週間は品質を保持できる( 図2、 表1)。
  
 
 
4.ナバナの呼吸量は図1の予測式にフィルム内の酸素と二酸化炭素濃度(%)を入れることにより簡易に推定できる。
 
 
 
[成果の活用面・留意点]
 
 1.産地におけるナバナの鮮度保持法として活用できる。
 
 2.フィルムはヒートシールにより密封する。
 
 
 
[その他]         
 
 研究課題名:呼吸及び蒸散抑制による野菜の鮮度保持     
 
 予算区分 :経常          
 
 研究期間 :平成11年度(平成9〜11年)
 
 研究担当者:山下純隆、茨木俊行、池田浩暢
 
 発表論文等:平成9〜11年度 生産環境研究所 流通加工試験研究成績書
 
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