イオンビームを照射したキクの葉肉プロトプラストからの植物体の再生  | 
	 
	
		 
[要約]イオンビームを照射したキク「秀芳の力」の葉肉プロトプラスト由来のカルスから、初めて植物体を再生した。葉肉プロトプラストに対するHe、Cイオンビームの半致死線量は、それぞれ4.9Gy、3.3Gy付近である。 | 
	 
	
		 
生産環境研究所・生物資源部・生物工学研究室 | 
		 
 連絡先 | 
		 
092-924-2970 | 
	 
	
		 
部会名 
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    生産環境 
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専門 
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バイテク 
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対象 
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 花き類 
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分類 
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 研究 
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[背景・ねらい]
 
 本県のキクは全国第4位の栽培面積を誇っている。激化する国内外の産地間競争に打ち勝つためには、新しい花色や草姿等の新品種の育成が望まれている。従来のガンマ線照射法は変異誘発効果が低く、変異の幅も限られている。一方、近年開発されたイオンビーム照射は変異誘発効果が高く、育種への利用が期待されている。すでに、イオンビーム照射の基礎となる、効率的なキクの葉肉プロトプラスト培養法を確立した(平成10年度農業関係試験研究の成果)。そこで、イオンビーム照射がキクの葉肉プロトプラストに及ぼす影響を明らかにするとともに、植物体の再生を図る。
 
 
 
[成果の内容・特徴]
 
1.He、Cイオンビームを照射したキク「秀芳の力」の葉肉プロトプラストからカルスを経由して、初めて658個体の植物体を再生した( 表1、 図3)。
  
 
 
2.葉肉プロトプラストに対する、He、Cイオンビームの半致死線量(有用な突然変異が期待でき、半数が生き残れる線量)は、それぞれ4.9Gy、3.3Gy付近である( 図1、 2)。
  
 
 
[成果の活用面・留意点]
 
 1.イオンビーム照射とプロトプラスト培養を組合わせた新育種法として活用できる。
 
 2.再生した植物体の開花特性を調査して優良系統を選抜する。
 
 
 
[その他]
 
 研究課題名:イオンビーム照射によるキクの培養変異の誘発
 
 予算区分:経常              
 
 研究期間:平成11年度(平成9〜11年)
 
 研究担当者:中原隆夫、平島敬太、村上英子
 
 発表論文等:平成9〜11年度生物資源部試験成績概要書
 
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