肉牛用混合飼料における中性デタージエント繊維の消化率と乾物・養分摂取量
 
[要約]
 肉牛用混合飼料中の中性デタージエント繊維(以下NDF)のめん羊による消化率は
粗飼料の配合割合が25〜100%の範囲では変化が無く一定である。また、乾物・養
分摂取量はNDF含量の影響を受け、NDF含量が約35%の時に最高となる。
 
畜産研究所・飼料部・家畜栄養研究室
     大家畜部・肉用牛研究室
連絡先:092−925−5231
部会名:畜産 専門:動物栄養 対象:家畜類 分類:指導
 
 [背景・ねらい]
 肉用牛の肥育効率向上のためには、給与飼料の乾物・養分摂取量を多 くする必要が
ある、乳牛ではNDFの含量や消化性により乾物摂取量は変化し、NDF は乾物摂取
量の制限要因の一つであることが明らかにされている。しかし、乳牛よりエ ネルギー
濃度の高い飼料を給与する肉用牛では、乾物摂取量の制限要因については不明 な点が
多い。そこで、めん羊を用いて肉牛用混合飼料中のNDFの消化率及び乾物・養 分摂
取量との関係を明らかにする。
 
 [成果の内容・特徴]
1 給与混合飼料の可消化NDF量はNDF含量と正の相関があり、TDN(可消化養
分総量)含量は粗飼料割合と負の相関がある、これらの関係は、濃厚飼料と粗飼料の割
合が異なっても同じであることから、NDFとTDNの消化率は変化が無く一定である
(表1)。
2 めん羊を用いた消化試験では、肉牛用混合飼料中の乾物・TDN摂取量はNDF含
量が約35%の時に最高となる。NDF含量的35%における乾物・TDN摂取量は、
NDF含量が31%及び39%の約1.1倍である(表2、図1)。
 
[成果の活用面・留意点]
1 銘柄牛産地育成用技術指針として活用する。
2 ペレニアルライグラスストローを粗飼料に用いるときは3〜5cmに細断し、採食
性を良くする。
 
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名:食品製造副産物を活用した肥育牛用混合飼料の栄養価評価
予算区分:国庫(地域重要)
研究期間:平成9年度(平成8〜9年)
研究担当者:棟加登きみ子、今村弘子、徳満茂、平嶋善典
発表論文等:平成9年度畜産関係試験成績書