「はかた地どり」の適正給与飼料組成

[要約]雌親ホワイトロックに「16×14系統」を使用した「はかた地どり」の適正給与飼料組成は,含硫アミノ酸水準を22〜63日齢は0.93%以上,64〜91日齢は0.79%以上と,従来の「はかた地どり」給与飼料の1.25倍以上とする。生体重は従来の「はかた地どり」と同等になり,腹腔内脂肪率は低くなる。

畜産研究所・中小家畜部・家きん研究室 [連絡先]092-922-4100
[部会名]畜 産 [専門]飼育管理 [対象]家きん類 [分類]普 及

[背景・ねらい]

「はかた地どり」は雄親シャモに雌親ホワイトロックを交配したもので,ふ化場ではホワイトロックに増体を重視したコマーシャル鶏を用いてきた。しかし,体重,羽装の斉一性が低い等の問題点がでてきたため,ホワイトロックを農林水産省家畜改良センター兵庫牧場が育成した「16×14系統」に切り替えた。「16×14系統」は一般的なホワイトロックに比べてやや小ぶりであるが,飼料効率に優れた特長を持っている。
現在「はかた地どり」に給与している専用飼料(従来飼料)は,増体重視のコマーシャル鶏を利用した「はかた地どり」(従来系)向けに作られている。そこで雌親ホワイトロックを「16×14系統」とした「はかた地どり」(16×14系)の特徴を生かすための給与飼料組成について明らかにし,今後の「はかた地どり」飼育管理の技術的指標とする。

[成果の内容・特徴]
@従来飼料を給与すると,16×14系の生体重は従来系に比べて 2〜 3%低くなる(表1)。従来飼料の22日齢以降含硫アミノ酸水準を1.25倍,1.50倍,1.75倍にして16×14系に給与すると,生体重は 2〜 3%大きくなり従来系と同等の生体重になる(表2)。

A16×14系雌のME利用効率は,従来系に比べて12%程度優れる(表1)。さらに含硫アミノ酸水準を1.25〜1.75倍にすると,ME利用効率は雄で 3〜 6%,雌で 5〜 7%程度優れる(表2)。

B22日齢以降の含硫アミノ酸水準を従来飼料の1.25〜1.75倍にすると腹腔内脂肪率は雄で 0.5〜 0.8%,雌では 0.3〜 0.4%抑制され,低脂肪化が望める(表2)。

[成果の活用面・留意点]
「はかた地どり」飼育管理マニュアルの技術的指標として役立てる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:「はかた地どり」の適正飼料組成
予算区分 :経常
研究期間 :平成8年度(平成6〜8年)
研究担当者:村上徹哉,福原絵里子,上田修二,津留崎正信
発表論文等:平成6,7,8年度畜産関係試験成績書