フクオカヨーク利用による銘柄豚生産に適した止め雄の選定


[要約]
 フクオカヨーク利用したF1母豚(WL)に止め雄としてハンプシャー種とデュロック種のF1(HD)を交配すると分娩頭数はやや多いものの生時体重1kg以下の子豚が多くそのため、、育成率は低い。一方、デュロック種(D)を交配したWL・Dは肥育時の発育や飼料要求率が良く肉色はやや濃い等優れる傾向にあり、止め雄はDが適当である。、

畜産研究所・中小家畜部・養豚研究室
[連絡先]   092-922-4100
[部会名]    畜産  
[専門]     育種  
[対象]     家畜類  
[分類]      普及


[背景・ねらい] 
 平成3年度の成果で銘柄豚の生産方式はフクオカヨークの雌(W)にランンドレースの雄(L)を交配したF1母豚に止め雄としてデュロック種(D)を交配する3元交雑(WL・D)が、繁殖性、肉質等に優れており、適当であると報告した。一方、県下にはハンプシャー種とデュロック種のF1(HD)を止め雄として利用している養豚グループがフクオカヨークを利用した銘柄豚の生産を希望している。県産銘柄豚の生産方式は出荷頭数などを考慮すれば、一方式が適当と考えられる。そこで、て、高品質豚肉を生産するために、止め雄としてまたはハンプシャー種とデュロック種のF1(HD)を用いて肉豚生産が行われている。そこでフクオカヨークのF1母豚(WL)にDまたはHDを交配し、その繁殖性、発育性、と体成績及び肉質について検討し、銘柄肉豚生産に適した止め雄としての三元交雑(LW・D)の優位性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
@分娩頭数はWL・HDが11.5頭とWL・Dより約1頭多いため、生時体重1kg以下の子豚が多い。そのため、ほ乳期間中の保温やほ乳介助等の管理に注意を払うが、育成率は92.31%と低い(表1)。

A肥育豚の1日増体量、飼料要求率はWL・Dが優れる傾向にある(表2)。

Bと体成績の背腰長U、背脂肪の厚さ、ハム割合、及びロース断面積は、ともに差は認められない(表3)。

C肉質ではほとんど差はなく、肉色においてWL・DのL値は低く色が濃い傾向にある(表4)。

[成果の活用面・留意点]
@フクオカヨ−クを利用した県産ブランド豚肉生産に活用する。


[具体的データ]

            表1 繁殖成績             (平成5〜6年)

  注)@種付けは1発情1回   CDはサクラ201
    A離乳は生後3週齢    DHDはサクラ101×サクラ201
    BLはエド


     表2 発育性     (平成5〜6年)

  注)@体重30kg〜105s


              表3 と体成績           (平成5〜6年)

 注)@背脂肪の厚さは肩・背・腰の3部位平均値
   Aロース断面積は4−5胸椎間
   BPCS…ポークカラースタンダード


          表4 肉質       (平成5〜6年)

  注)@L…明度、a…赤色、b…黄色
    A色は4−5胸椎間のロース芯で測定
    


[その他] 
研究課題名:止め雄の組合せによる銘柄化 
予算区分:経 常 
研究期間:平成6年度(平成5〜6年) 
研究担当者:佐藤充徳、山本英二、大和碩哉、投野和彦 
発表論文等:平成6年度畜産関係試験成績書