連続生体卵子吸引における安定的卵子採取

[要約]黒毛和種供胚牛から週 1回、 5〜10週間連続で生体卵子吸引を実施しても、安定的な卵子採取が可能である。通常の過排卵処理において採胚成績が良好なは不良な牛に比べて、生体卵子吸引による卵子採取数が多い。

 畜産研究所・大家畜部・肉用牛研究室

            畜産工学研究室

  
 連絡先
 


 092-925-5232
 

部会名
 

畜  産
 

専 門
 

 繁 殖
 

対 象
 

 肉用牛
 

分 類
 

研 究
 
[背景・ねらい]
 胚移植においては、優れた供胚牛からできるだけ多くの胚を生産することが重要である。近年、超音波診断装置を利用して膣経由で卵巣から卵子を採取する生体卵子吸引技術が開発されているが、この技術を利用して大量に胚を生産することが望まれている。
 そこで、生体卵子吸引の連続実施が採取卵子数に及ぼす影響を明らかにし、安定的に大量に卵子を採取する技術の確立に資する。   (要望機関名:北九州家保(H9))
 
 
[成果の内容・特徴]
1.黒毛和種供胚牛から週1回、 5〜10週間連続で生体卵子吸引を実施しても、卵胞数、採取卵子数、胚生産数に影響を及ぼすことなく、卵子を安定的に採取できる(表1)。
 
2.通常の過排卵処理で採胚成績が良好な牛と不良な牛の卵胞数には差がないが、良好な牛は不良な牛に比べて採取卵子数および正常卵子数が有意に多く、胚生産数も多い傾向にある(表2)。
 
3.生体卵子吸引における1回当たりの平均正常卵子採取数は、個体により 1.2〜11.2個とバラツキがある(図1)。また、生体吸引1回に正常卵子が1個以上採取できるのは、生体吸引の85/108回(78.7%)からであり、5個以上採取できるのは28/108回(25.9%)からである(図2)。
 
[成果の活用面・留意点]
1.生体卵子吸引・体外受精を利用した効率的胚生産技術確立試験の参考資料として利用できる。
 
[その他]
 研究課題名:超音波診断装置を利用した効率的胚生産技術の確立
 予算区分:国庫事業(受精卵移植等新技術普及対策推進事業)
 研究期間:平成11年度(平成11〜13年)
 研究担当者:磯崎良寛、古賀鉄也、平嶋善典、笠正二郎
 発表論文等:平成11年度畜産関係試験成績書