乳用種去勢牛肥育用混合飼料への焼酎粕の有効利用技術 | 
	 
	
		 
[要約]焼酎粕を15%添加した混合飼料(TMR)は、暑熱時における調製後の発熱が抑制される。また、焼酎粕を13%添加した混合飼料は乳用種去勢牛の肥育飼料として肥育全期間に給与可能である。 | 
	 
	
		 
畜産研究所・大家畜部・肉用牛研究室 | 
		 
連絡先 | 
		 
092-925-5232 | 
	 
	
		 
 部 会 名  
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  畜  産 
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専門 
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 飼養管理 
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対象 
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肉用牛 
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分類 
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 研究 
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[背景・ねらい]
 
 牛肉輸入自由化に伴い、牛肉価格が低迷する中で、収益の向上を図るため生産コスト低減が強く求められており、食品製造副産物の活用が重要になっている。また、本県の肉用牛・乳牛は省力管理を目的に年々飼養規模の拡大が進み、省力化のためTMR給与を実施している農家で、暑熱期において変敗、摂取量減少等の問題が生じている。一方、焼酎粕は強酸性で、蛋白質含量も高い食品製造副産物であり、本県で多量に産出されており、その有効利用技術の開発が望まれている。
 
 そこで、混合飼料への焼酎粕の添加効果および乳用種去勢牛への焼酎粕混合飼料の給与期間の違いが養分摂取量および産肉性に及ぼす影響について明らかにする。(要望機関名:両筑家保(H8)築上普(H9))
 
 
 
[成果の内容・特徴]
 
1.焼酎粕はpH3.93と強酸性であるため、TMRに焼酎粕を15%添加すると暑熱時における調製後の発熱が抑制され( 図1)、1日1回の飼料調製が可能である。
  
 
 
2.肥育用の混合飼料(TMR)に13%の割合で焼酎粕を添加して乳用種去勢牛に給与すると、焼酎粕の給与期間が前期だけの短期間でも、あるいは全期間でも1日当たりの飼料摂取量に差はない。また、焼酎粕の給与期間が違っても終了時体重は670kg、日増体量は 1.1kg程度と同等の増体成績となる( 表1)。
  
 
 
3.焼酎粕の給与期間の違いが枝肉成績に及ぼす影響は少なく、焼酎粕は肥育全期間に給与可能である( 表2)。
  
 
 
[成果の活用面・留意点]
 
 1.肥育牛への焼酎粕給与試験の参考にできる。
 
 
 
 2.今回使用した焼酎粕は液状物であるため、輸送、保存には容器等が必要である。
 
 
 
[その他]
 
 研究課題名:焼酎粕を活用した良質肉安定生産のための混合飼料給与技術
 
 予算区分:経常
 
 研究期間:平成11年度(平成10〜12年)                  研究担当者:平嶋善典、古賀鉄也、磯崎良寛
 
 発表論文等:平成11年度畜産関係試験成績書
 
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