キク栽培における配管式無人防除装置の散布特性
 
[要約]
 キク栽培における配管式無人防除装置3機種の散布精度を比較すると、側方から散布
するアクアウイングが葉表、葉裏とも薬剤付着程度が高い。多目的細霧システムは、配
管下と配管間の畝とで散布量に差が生じる。
 
園芸研究所・野菜花き部・施設機械研究室    連絡先092−922−4111
部会名:園芸 専門:機械 対象:花き類 分類:指暮
 
[背景・ねらい]
 キクの施設栽培における病害虫防除作業は手散布がほとんどであり、作業者が農薬に
さらされる危険性や高温下での重労働を伴うため、無人防除装置の利用技術の確立と普
及が急がれている、そこで、近年、産地に導入されつつある配管式無人防除装置の散布
精度を調査して、その特性を明らかにする。
 
[成果の内容・特徴]
 1 キクの葉表への薬剤付着程度は、上方から散布するマスプレー、多目的細霧シス
テムでは、キクの下位葉ほど低くなる傾向を示すが、側方から散布するアクアウイング
では、キクの上位葉から献上面40cm位置まで薬剤付着程度の低下が見られず、手散
布と同等の付着が得られる(図1)。
 
 2 キクの葉裏への薬剤付着程度は、マスプレーが他機種に比べると劣る(図1)。
 3 多目的細霧システムは、配管下の畝と配管間の畝とで散布量に差が生じる(図1)、
 4 作業能率はマスプレー、多目的細霧システムが高く、設備費は多目的細霧システ
ム、アクアウイングがマスプレーに比べると高い(表1)
 
[成果の活用面・留意点]
 1 施設ギクの無人防除装置選定の資料として活用する。
 2 散布後にハウスに入る時は、十分換気を行う。
 3 病害虫の多発が予想される場合は、補正的な防除を組み入れる。
 
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 配管移動式細霧散布等利用による高精度無人防除技術確立
予算区分:県特
研究期間:平成9年度(平成8〜12年)
研究担当者:井手治、姫野修一、森山友幸、真鍋尚義
発表論文等:平成9年度園芸研究所野菜花き部施設機械研究室成績概要