シンテッポウユリ「ふくれん西尾1号」の7〜9月出し栽培

[要約]シンテッポウユリ「ふくれん西尾1号」の7月出し栽培では、11月中旬に播種した苗を無加温ハウスに3月中旬に定植し、定植1ヵ月後から電照する。8月出し栽培では12月下旬から1月下旬に播種し、4月中旬から5月上旬に露地に定植する。9月出し栽培では1月中旬に播種し、4月中旬から苗を冷蔵し、5月中旬に露地に定植する。


園芸研究所・野菜花き部・花き花木研究室 [連絡先]092−922−4111
[部会名]園芸 [専門]栽培 [対象]花き類 [分類]普及


[背景・ねらい]

シンテッポウユリはテッポウユリとタカサゴユリの交配種で、テッポウユリの花形、草姿をもち、実生栽培で播種から1年以内に出荷できる。また、テッポウユリの切り花生産が困難な夏季においても正常に開花することから、県内で育成された「ふくれん西尾1号」を中心に’博多シンテッポウユリ’のブランドで生産、販売している。しかし、「ふくれん西尾1号」を用いた実生栽培では、出荷期が8月上中旬に集中することから、出荷期を7〜9月まで拡大するための開花調節技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

1 シンテッポウユリ「ふくれん西尾1号」を7月上中旬に出荷するためには、lI月中旬に播種した苗を無加温ハウスに3月中旬に定植し、定植1ヵ月後から24時間日長になるように電照を行う(表1,2)。
2 7月下旬から8月上旬に出荷するためには、12月中旬から1月上旬に播種し、露地に4月上旬に定植する。8月上中旬に出荷するためには12月中旬から1月下旬に播種し、4月下旬から5月上旬に定植する(表1,3)。
3 9月に出荷するためには、2月中旬に播種し、5月中旬から6月上旬に露地に定植する。また、1月中旬に播種し、4月中旬から8℃で30日間冷蔵した後、5月中旬に定植すると、9月上中旬の開花茎率が高くなる(表1,4)。

[成果の活用面・留意点]

1 シンナッポウユリ栽培地域における技術資料として栽培技術指針に登載し、活用する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:シンテッポウユリの生育開花調節
予算区分:経常
研究期間:平成9年度(平成6〜8年)
研究担当者:松井洋、谷川孝弘、國武利治、小林泰生
発表論文等:平成7〜9年度園芸俳究所野菜花き郎花き花木研究室試験成績書