サラダナの夏期栽培用適品種

[要約]夏期のサラダナ栽培には抽台の発生が少なく、葉形が優れる品種「バイオサラダナ夏用」、「バイオサラダナ黒葉」が有望である。「バイオサラダナ夏用」は抽台、チップバーンの発生は少ないがやや生育が緩やかである。「バイオサラダナ黒葉」は生育が早いが、「バイオサラダナ夏用」より抽台、チップバーンの発生が早い。

園芸研究所・野菜花き部・野菜栽培研究室 連絡先 092-922-4111
[部会名]園 芸 [専門]栽 培 [対象]葉茎菜類 [分類]普及

[背景・ねらい]

福岡県におけるサラダナは、ビニルハウス内で周年生産が行われているが、夏期には生育障害や病害が発生して生産が不安定で、特に春から秋にかけて発生する生育障害(チップバーン)や抽台が起こり品質が低下するため、これらを解決することが重要である。
そこで、夏期に生産や品質が安定する品種を選定する。

[成果の内容・特徴]

@夏期のサラダナ栽培に適する「バイオサラダナ夏用」と「バイオサラダナ黒葉」2品種 を選定した。
A「バイオサラダナ夏用」は慣行品種「夏用秀水」に比べ生育速度がやや緩やかで抽台の 発生が少なく、葉形は円形に近く品質が良い。また、チップバーンの発生が少ない(表1)。
B「バイオサラダナ黒葉」は慣行品種「夏用秀水」に比べやや生育速度は緩やかで抽台が 少なく、葉形は円形に近く品質が良い。「バイオサラダナ夏用」に比べると生育は早いが、 抽台が早く、チップバーンの発生時期が早い(表1、表2)。

[成果の活用面・留意点]

@福岡県野菜推奨品種一覧表に登載しサラダナ栽培の指導資料として活用する。
Aチップバーンは20cm前後の株間で栽培している場合、マルチ上に全面に葉が繁茂した あとの収穫直前に発生しやすいので、適期収穫に努める。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:サラダナの栽培条件と品質
予算区分:経常
研究期間:平成8年度(平成5〜8年)
研究担当者:山本幸彦、満田幸恵、月時和隆
発表論文等:平成5、6、7、8年度 園芸研究所野菜花き部 野菜試験成績概要書