茶園用ぺ一スト状肥料灌注施肥機の適応条件

[要約]茶園用ペースト状肥料灌注施肥機は傾斜圃場、礫に富む圃場において、平坦地と同様に高い灌注精度で施肥作業を行うことができる。また、この機械は慣行施肥機と比較して作業強度が低く、その効果は特に傾斜度の高い圃場で顕著である。


八女分場・茶研究室 [連絡先] 0943−42−0292
[部会名]農産 [専門]機械 [対象]工芸作物類 [分類]普及


[背景・ねらい]

茶栽培において、生産性の向上と環境保全の観点から有効な施肥技術の一つとして、ペ一スト状肥料の濯注施肥法があげられる。しかし、現在の濯注施肥作業では、専用の機材が存在するものの、人力作業であるため、多大な手間と労力を要している。そこで、省力的に灌注施肥作業が行える本機械を開発し、圃場への適応条件について明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1 茶園用のぺ一スト状肥料灌注施肥機は8度の傾斜圃場においても、平坦地と同様の作業時間で高精度の灌注施肥作業を行うことができる(表1)。
2 本機は、礫にすこぶる富む圃場においても、高い灌注精度で施肥作業を行うことができる(表2)。
3 本機は、慣行施肥である自走型肥料散布機による施肥と比較して、作業強度が低く、その効果は特に傾斜度の高い圃場で顕著である(表3)。

[成果の活用面・留意点]

1 福岡県特定高性能農業機械導入計画及び茶業技術指針に登載し、効率的かつ効果的な施肥技術の資料として活用する。
2 この機械の使用にあたっては、28p以上の畦間、80p以上の旋回スペース及び段差のない圃場への進入ルートを確保する必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:茶園用ぺ一スト灌注機の開発
予算区分:国庫助成(地域特産農作物機械開発促進事業)
研究期間:平成9年度(平成7〜9年)
研究担当者:江上修一、久保田朗、中村晋一郎、森山私信、清水信幸
発表論文等:平成7〜9年度八女分場試験成績書

地域特産農作物機械開発促進事業報告書(平成9年度)