福岡農総試研報 B−13 
Bull.Fukuoka Agric.Res.Cent.B−13:73〜76(1994)


バイオリアクターによる果汁を原料にした酸性調味料の生産 
第1報 クエン酸生産能力の高い菌株の選定

森山弘信・山下純隆・馬場紀子 
(生産環境研究所流通加工部)


 バイオリアクターによる果汁を原料にした酸性調味料の生産に適した菌株を選定するために,クエン酸生産能力が高いといわれる麹菌19株及び酵母1株について種々の培養条件下でのクエン酸生産量及び生成有機酸組成について調査した。合成培地を用いた振とう培養において,しゅう酸を副生することなくクエン酸を生産した菌株の中で,Aspergillus usamiii mut.shiro−usamiii IFO 6082は,通気かくはん培養においても12日間で3.56%と最も多くのクエン酸を生産した。また,この菌株は,カキ果汁を用いた振とう培養においても培地中にしゅう酸を副生することなく,14日間で1.95%のクエン酸を生産した。

[キーワード:クエン酸,Aspergillus usamiii mut.shiro−usamii IFO 6082,通気かくはん培養,カキ果汁]


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