DNA鑑定による米の品種識別
 
農産研究所
 
1 背景、目的
  従来、水稲品種識別は形態的特徴により行っていましたが、この形態的特 徴は栽培法や産地によって変動するため、この方法での識別は確実ではあり ません。最近では、栽培法などに影響されない品種識別法として、葉のDN Aを利用した方法が確立されつつありますが、この方法により葉以外の部分 が品種識別に利用できるかは不明でした。
  そこで、米粒を使ったDNA鑑定による県内主要水稲品種の識別の可能性 について明らかにしました。
 
 
2 成果の概要、特徴
 
 1)米から抽出したDNAを、種類のプライマー (A07,P01,AC17,AI11, AN07) を利用して、RAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)法で鑑定した結果、福岡県の奨励品種11品種(夢つくし、コシヒカリ、ほほえみ、つくし早生、ヒノヒカリ、ニシホマレ、ツクシホマレ、レイホウ、山田錦、ひみこもち、ヒヨクモチ)を含む20品種の識別が可能です。
 
 2)DNAの抽出は、CTAB法を用いれば玄米や精米から行うことができ、DNA抽出キットを利用すれば、米1粒からでもDNAを抽出することができます。
 
3 主要なデータなど