雌だけを産するマメハモグリバエ幼虫寄生蜂を発見
 
生産環境研究所
 
1 背景、目的
トマトなどの害虫マメハモグリバエは薬剤に対する抵抗性を獲得しているため、寄生蜂などによる生物的防除法を確立する必要があります.一般に寄生蜂の未交尾雌は雄卵(未受精卵)のみを、交尾雌は雄卵と雌卵を1:1の割合で産下します。害虫の生物的防除では、寄主を攻撃する雌蜂をできるだけ多く効率的に増殖、放飼する必要があります。しかし、大量増殖を目的に集団飼育の雌蜂に産卵させた場合、雄卵を産下する割合が高くなります。
 そこで、大量増殖に適したマメハモグリバエの有力な土着天敵を探索しました。
 
2 成果の概要、特徴
 1)幼虫寄生蜂ハモグリミドリヒメコバチで、未交尾でも雌を産下できる単為生殖系統を発見しました。今のところ、単為生殖系統は九州南部の個体群で確認され、九州北部の個体群は雌雄の卵をほぼ同じ割合で産下する系統のみです。
 
 2)単為生殖系統に対して抗生物質テトラサイクリンを餌の蜂蜜こ混ぜて投与すると、雄卵のみを産下するようになることから、単為生殖系統では共生微生物(ボルバキア)により性比が制御されていることが分かります。
 
 3)単為生殖系統の寄生蜂では、一般的な性決定様式を有する系統と異なり、天敵として利用価値の高い雌のみを大量に生産することができ、効率的な大量増殖が可能となります。
 
3 主要なデータなど