人の健康に役立つα−リノレン酸を多く含む豚肉生産

畜産研究所

1 背景、目的
 最近の消費者は、高品質あるいは健康・安全志向食品を求める傾向にあります。一方、養豚農家は豚肉の価格低迷の中で経営を安定させるため、豚肉に何らかの付加価値をつけて消費者から高い評価が得られる高品質豚肉を生産し、銘柄化をはかろうとしています。
 そこで、アレルギー体質の改善、循環器障害の予防効果があるとされるα−リノレン酸の含量が高く、豚肉の脂質中のn‐3系脂肪酸(特にα−リノレン酸)に対するn‐6系脂肪酸(特にリノール酸)の比をできるだけ小さくし、人間の健康保持に望ましい比率に近づけた高付加価値豚肉生産技術を確立しました。

2 成果の概要、特徴
1)肥育豚は、と殺1カ月前までは通常の肥育用市販配合飼料で飼養し、それ以降、と殺までの1カ月間は、前記市販飼料にアマニ油けん化飼料(α−リノレン酸含量:40.6%)を2%配合して給与します。

2)アマニ油けん化物飼料を1カ月間給与すると、α−リノレン駿(C18−3)は背脂肪、ロースヘ移行し、背脂肪とロースで約3倍に増加します。

3)アマニ油けん化物飼料を給与すると脂肪中のαリノレン酸が増加するため、n‐3系脂肪酸に対するn‐6系脂肪酸の比が著しく低下します。

4)今後、本県の系統豚「フクオカヨーク」の交雑肉豚に、この技術を利用して高付加価値豚肉の生産を行います。


3.主要なデータなど

   

      表1 背脂肪およびロースの脂肪酸の組成

 注)@n−3:C18−3リノレン酸  C22−6 ドコサヘキサエン酸
   An−6:C18−2リノール酸  C20−4アラキドン酸

  


     α−リノレン酸含量            n−6/n−3比

     図1 ロース内脂肪中のα−リノレン酸含量とn−6/n−3脂肪酸比

     


   写真1 α−リノレン酸を多く含んだ豚肉