国内初の赤米糯新品種「ちくし赤糯22号」を育成

農産研究所

1 背景、目的
 最近、米に対する消費者の二一ズが多様化し、特徴ある米づくりが進められている中で、赤米は地域特産物として注目され、産地化が試みられています。しかし、これまでの赤米の在来品種は、@倒れやすい、A収量が少ない、G脱粒しやすい、C出芽の揃いが悪いなど、栽培面で多くの問題点をかかえています。
 そこで、これらの欠点を改良して、本県に適した栽培しやすい赤米糯品種を日本で初めて育成しました。

2 成果の概要、特徴
 「ちくし赤糯22号」は、昭和63年に、倒れにくく、休眠性が浅い糯品種である「サイワイモチ」を母、在来の赤米粳品種「対馬在来」を父として交配した組合せから育成し、両親の長所をあわせもった有望品種として、平成7年に種苗法による品種登録を出願しました。
 
 「ちくし赤糯22号」の特性は以下のとおりです。

 1)出穂期および成熟期は「サイワイモチ」よりやや遅い晩生の糯品種。
 2)程長は「サイワイモチ」より長く、出穂期頃の苦および穎色は鮮やかな赤褐色。
 3)赤米種としては、倒伏に強く、収量が多く、出芽の揃いが良い。
 4)脱粒しにくく、玄米は小粒で、色沢は濃い赤褐色。
 5)90%搗精後のもちは淡黄ピンク色を呈し、食味は「サイワイモチ」と同程度。

 「ちくし赤糯22号」は、赤飯や祝用の紅白もち及び観賞用稲等に利用できます。


3.主要なデータなど

             

     表1「ちくし赤糯22号」の特性

  注)@平成5〜6年農産研究所の平均値。
    A移植期:6月20〜21日。倒伏:0(無)〜5(甚)。

 



     (出穂期頃の立毛)                  (もち)           

           写真1 「ちくし赤糯22号」と比較写真