水稲−小麦体系に飼料作物を組み込んだ新しい輪作技術マニュアル

畜産研究所・農産研究所
筑後分場・生産環境研究所・企画経営部

1 背景、目的

 本県の水田農業を活性化し発展させるためには、作付面積の多い小麦の高品質安定生産とともに、酪農や肉用牛経営において低コストを図るため、飼料作物の安定作付による粗飼料自給率の向上が重要です。そこで、従来の水稲−小麦の1年2作体系に飼料作物を組み込んだ2年4作の水田輪作体系を確立し、飼料作物の省力安定栽培・良質粗飼料の調製・高品質小麦の安定生産のための技術マニュアルを作成しました。

 

2 成果の概要・、特徴

1)水田に飼料作物を導入する水田輪作体系は、水稲−イタリアンライグラス−暖地型牧草−小麦の2年4作体系が適しています。この輪作体系を水田輪換畑へ導入することにより、良質粗飼料の自給率が向上し、製めん特性の優れた高品質小麦の安定生産を図ることができます。

2)飼料作物は、簡易作溝栽培技術に緩効性肥料を用いた全量基肥施用技術を組み合わせると、省力安定栽培が可能となります。

3)良質粗飼料の調製はラップサイレージが適しており、流通させる場合は水分含有率推定式が取引基準として利用できます。

4)暖地型牧草後の小麦品種は「チクゴイズミ」が適しており、外国産に負けない製めん特性を持っています。暖地型牧草後の小麦の安定生産を行うには、10a当たり2t程度堆肥を施用した場合は水稲後に比べて生育が旺盛となるので、基肥、第1回追肥とも10a当たり窒素2s程度減肥が必要です。


3 主要なデータなど

  第1表 水稲−小麦体系に暖地型牧草を組み込んだ輪作体系(2年4作)


     
     写真1 ラップサイレージによる良質粗飼料調製の作業状況
         (ロールベーラによる牧草梱包作業)